【"HOPE EP" セルフライナーノーツ③】M1「HOPE」について
Taniが書く「HOPE EP」セルフライナーノーツの続きなんですが、今回めちゃめちゃたくさん書いちゃったので、夜行バスとかで読んで下さい。お暇でしょう、夜行バス。
1曲目、「HOPE」についてです。
これを読んで興味がわいたら、ぜひ現物も買ってみてください。ライブも面白いですよ。いらっしゃいませ!
▶読む:TALKING ABOUT HOPE - taicoto orient
▶聞く:HOPE EP by taicoto orient | Free Listening on SoundCloud
▶買う:HOPE EP - taicoto orient (CD) | Mediumbuddha Sound Works
HOPEのおと
ギターのチューニング
ギターのチューニングはEADGCE、2弦だけ半音上げ。American Football - Never meantのチューニング(FACGCE)で遊んでいたときに、もっと単純な変則チューニングで曲を作ろうと試してみたやつ。
あんまりライブ中にチューニングを変えるのが好きじゃないので、基本的にはレギュラーのみで曲を作るんだけど、この曲とOCEAN (FOR BANKSIA)だけ例外です。ギターが単弦のみ半音上げってくらいだったら1秒もかからずチューニングなおせるし、そんなに大変じゃない。
1~3弦が「ソドミ」でオープンCみたいになるので「x32000」→「x53000」→「x75000」→「x87000」(HOPE Aメロ)みたいに、ずっと開放で鳴らしながらコードを変えていくとなかなか素敵な響きのコードになる。
というか、今考えたらHOPEは1~3弦ずっと開放だわ。6分間ずっと開放。すごい曲だな、そう考えると。
HOPEができるまで
2015年6月10日
メインのコード進行を思いついたのは2015年6月10日。Of Monsters And MenのCrystalsを聞いて、こういう曲やりたいなぁ〜と作りはじめた。結果的にぜんぜん似てないのができたけど!
2015年6月26日
上のデモをもとにスタジオセッション。当時は「BEACH」ってタイトルだった。
この頃は土曜の午前中からスタジオ入ってたから、タスクが金曜夜から朝まで飲んでそのままスタジオ来たりしてたな…すっげえ酒臭かった。下の動画も一人だけワイシャツにスラックスです。こいつは二日酔いなのに氷結のロング缶買ってスタジオ来るところが偉いと思う。「ストロングは飲めねぇっすよ」とか言ってた。かわいい。
全体的にもっさりしているな。
翌週のスタジオテイクを見ると、原型ができてる
タスクのドラムがかなり海外のインディー(どこの誰とは言えないんだけど)っぽくて、それゆえに日本語歌詞が載せられなくて困ってた。1:40あたりのピアノのアプローチがきれいだから、ケイコはライブでこれ弾けばいいのになって思った(業務連絡)。
2015年11月13日
ライブとかレコーディングで忙しくなって、数ヶ月放置。
2015年の秋はスタジオに入っていなかったので、その時期にあらためて曲を練り直し、自宅でレコーディング。トラックができた後に歌詞を考え、メロディも修正。
こうして「BEACH(仮)」は「HOPE」になったのでした!このバージョンのセルフライナーノーツはこちら。
2016年1月29日
10月に録音した「HOPE」、バンドメンバーからも好評だった。ライブのない時期だったけど、この曲を知ってほしくてリリックビデオを作った。
2016年2月27日
2016年2月27日の自主企画「(YES WE'RE BACK IN)BASECAMP!!!」で初披露。すでにリリックビデオを出していたので、ある程度この曲を知ってくれてる人もいた。ありがたい。
このころはまだNever meantのリフをそのまま弾いていたり、tbskさんがカウベルをポクポクしていたり、ケイコのメロディ・歌詞が決まってなかったりでした。
2016年3月15日
ライブ・スタジオ練習を重ねた後、「HOPE、いますぐ録らねば」と直感で感じたのが3月15日。
イントロのCコードを弾いたときの無敵感がすごかった時期なんですよね。「ジャーンて弾いて気持ちいい」っていうプリミティブなものと、「きれいにハモって・コードをつなげて・言葉がハマって、気持ちいい」っていう音楽的な部分がちょうどいいバランスだった時期。たぶん、あと数ヶ月経ったらバランスも各自のフィーリングもちょっとずつ変わっていっちゃうとすると、これを録れるのは今しかないな、と。
すぐにメンバーに連絡し、バシバシ計画していきました。本当は楽器だけでも4月に録りたかったんだけど、エンジニア藤井さんのスケジュールに合わせ5月に録ることに。まぁ、それでも急いだほうか。
2016年5月7日〜5月29日
レコーディング。そしてミックス。
2016年6月3日
ようやくリリース!
影響を受けた曲
前述の通り、この曲は「Of Monsters And Men - Crystals」っぽいのをやりたい!と作りはじめた曲。
Aメロの「ヘイ!」は同じくOMAMのLittle Talks。Bメロはbloodthisty butchers的な、「ズッシーン・バーーーン、でもコードはきれい!」を目指した。CメロはAmerican FootballのNever Meantや、One with the tambourineとか。
大サビ「新たなページの魔女〜」は、4thまでのACIDMANとか、ENVYのWarm Roomの仰々しさを取り入れた、気がする。メロディが派手に動かないで、ギターとかストリングスが遊撃に出る系の音作りが好き。
HOPEのうた
こういうことのうた
事細かに説明するのもアレなので、最初のデモを作ったときの個人ブログの文章を引用することにします。だいたい、みなさんが受け取って感じた通りの歌詞です。
なんとなく、いま自分には「HOPE」というタイトルの曲が必要なんじゃないかと感じていた。タイトルは最後の最後に決めたんだけど、歌詞の内容は喜怒哀楽はっきりしないし、そこで起こっていることも良いことか悪いことかわからない。
そういうのを全て「HOPE」って言葉で包み込むことに、なにか意味があるように思える。
歌詞
朝を待たず 消えていく呪い
まるい救済
唐突な光と一瞬の言葉を、思い出していた
どこへでも歩いていけばシャローム
許されていた
いつのまにか こんなにも遠くへ
来てしまったのか
新たなページの魔女
潮風ふわり、白
初めてゼロになる
もう何も怖くない
生きることは、穴があくこと その空洞に
愛していたものも、本当のことも
捨てていけばいい
吹き消して片付けた魔法、あいたスペースに
大切なものも、不確かなことも
捨てていけばいい
それは”希望” 君のための
「何もかもが息絶えた」と
思う夜に、開ける箱だ
新たなページの魔女
海に足をひたす
初めてゼロになる
もう何も怖くない